道端の小石のように

考える日々。

無題

ワードマップ心の哲学を読んでいるけど、ほとんど見てきたような話題ばかりで面白みに欠ける。でも、さすがは網羅的に取り扱っているだけあって、ちょこちょこ気になる話題は載っているし、自閉症精神疾患なんかも取り上げられている(正直言って蛇足程度のレベルだけども…)

ところで拡張認知仮説(p.242)って、アルヴァ・ノエのエナクティブ・アプローチみたいな話なんだなって。しかしこれだけ読んでみても意味がつかめないと思うので、ノエの『知覚のなかの行為』なんかが参考になります。あとネット上で文献を探してみるとか、哲学系のサイトを当たってみるとか*1。こういう発想はヴァレラであったりギブソンアフォーダンス理論が発想の源泉なのかもしれないけど、それ以前に哲学としてはけっこう伝統的な議論かもしれない。なんでも、この手の話題は人工知能の分野で盛り上がっていたりしているらしいけど、どういう感じなんですかね*2

 

自分が調べたいと思っていたのはトロープだけど、トロープは心の哲学じゃなくて現代形而上学のほうで説明されているっぽい。トロープというと、Very Short Introductionsの形而上学でも書かれていた。トロープ、わりと面白い考え方だと思うけど、いかんせん頭に内容が入ってこない。アームストロングとか読んだほうがいいのかもしれない(以前読んだけど、途中で投げ出した)

トロープというと、じつはフッサールの考え方にも表れている。彼の場合、スペチエスという理論が出てくるけど、これもけっこうわかりにくい。概して、普遍とか性質っていうのはとっつきにくい領域だと思う(フッサールも哲学者なんだなぁ、しみじみ)

 

近々の目標として、「現象学ってなに」ということを上手に説明できるようになりたい。自分は現象学を専門としているわけじゃないけど、現象学ってなにかとツッコミの入れられやすい分野だし、そうした批判や指摘の意図を正確に汲み取れるようになりたい。とりわけ数学や分析哲学の方々からのクレームが多いように見受けられる。彼らが何が知りたくて、何がわからないのか、それがわからないけど、ちょっと偏った見方をしすぎているのはないかと思う。

これについては、カントがわからないと数年間言い続けていた人が居て、石川文康のカント入門を読んでみたら疑問がたちまち解決したらしいので、けっこう困惑した記憶がある。いったいなにがわからなかったんだ…? よくわからないけど、異なる分野の人が求めるものっていうのは見ていて興味深い。“わからないこと”を知る、けっこう大切?

*1:https://deepbluedragon.hatenadiary.com/entry/20180909/p1

私がよく参考にさせてもらっているサイト。

*2:たとえば『人工知能のための哲学塾』という本があります。